子どもの絵は、身体が成長するに従い、知能が発達するに従い変わっていきます。
描き初めは点・点・点・・・
運動機能が、肩、ひじ、手首、指先へと成熟する過程で、ひじを支点に腕を半径とした線が見みられます。画面に打ち下ろす手の動きが作り出した軌跡です。
この頃は自分から描こうとする意識は十分に形成されていません。手は動いているけれど目はよそを向いている姿が多く見られます。
丸みを帯びた往復線
1歳頃になると線に変化が現れ、往復線の中に丸みを帯びたグルグル丸の線が出てきます。
出発点に戻ってピタッと止まる
グルグル丸の次に閉じた丸を描くようになります。出発点に戻って最後に止まる。目の指令に手が応えて止める力が必要です。
複数の丸に役割
2歳頃、グルグル丸から閉じた丸を描く子どもたちが増えてきます。複数の丸が描かれ、「ママとパパとね、あばあちゃんとね」などと丸に役割が与えられていきます。
丸いお顔に2本の線
3歳頃、足を使う遊びを実感することで足を描くようになります。丸い顔に直接2本の足と2本の手がつけられるという簡潔な特徴を持っています。このような線画のことを「頭足人」といいます。
たくさんの顔
3~4歳にかけて、記憶力や思考力も発達し自分の知っていることや経験したことを表現しようとします。 何人もの顔が描かれるのは、心の中におともだちや家族がたくさん存在しているからでしょう。子どもの日々の生活の人間関係そのものです。
脈絡無くなんでも並べて描く
この時期は自分の知っている形が色々と描けるようになります。全く関係性が無いモノを脈絡なく並べていきます。
商品のカタログのようにモノが並んでいるように描かれているので、カタログ期と呼ばれています。
1本のヨコ線
画面の下の1本のヨコ線が地面(基底線)として描かれます。加えて、基底線に対して「上はこっちだよ」というお日様が描かれます。お日様が大きく描かれるのは、眩しかった、暑かったという強い印象からでしょう。
ストーリーを持っている構図で表現
基底線を舞台に、人と人、人とモノ、モノとモノの関係がストーリーに沿って描かれます。話し言葉でストーリーを確認しながらひとつひとつのキャラクターが描かれていきます。